指揮者についてのQ&A
Q.指揮棒が初めて使用されたのはいつ頃、誰によってですか?
A.現在の形の指揮棒を初めて使用したのは、オーストリアのモーゼルという指揮者で1812年と言われています。その後、シュポア、ウェーバーに継承されました。それ以前にも指揮棒らしきものは存在していました。長い大きな棒で床を叩いて拍子をとったりした事もあるそうです。ガヴォットで有名なリュリは、演奏中にその指揮棒で自分の足を叩いてしまい、その傷が元で亡くなったそうです。
Q.歴史上初めて暗譜で指揮をしたのは誰ですか?
A.これは残念ながら解りません。大体、バロック以前は職業指揮者という存在が無く指揮をするのは作曲者自身というのが多かったため、自分で作った曲ですから暗譜で指揮した方も多かったのではないでしょうか。今では、一流の指揮者は初演やオペラ等以外の曲は殆どが暗譜で指揮することができると思います。暗譜で振らない人も万が一の為に譜面台に譜面を乗せていると考えた方が良いと思います。暗譜に非常なこだわりを持っていたのがトスカニーニで、彼は演奏会でふっと忘れてしまい引退を決意したという事です。これとは逆にクナッパーツブッシュという指揮者が「何故暗譜で振らないか」という質問に答えて「私は譜面が読めますから。譜面は読むものであって憶えるものではありません。」と。
Q.トスカニーニは、極度の近眼だったと言っていたのを聞いたことがあるのですが、本当ですか?
A.その通り、トスカニーニは強度の近眼だったそうです。元々チェロ奏者だったのですが近眼のため、スコアを丸暗記して演奏していたそうです。ブラジル演奏旅行で指揮者が急病で倒れた際に、あいつはスコアを丸暗記しているのだから指揮もできるだろうと指揮をさせたのが、大指揮者トスカニーニの誕生秘話だそうです。