楽曲についてのQ&A
new05.gifQ.モーツアルトのトルコ行進曲のピアノではなくオーケストラ演奏版の入っているCDを探しているのですが、あるようでしたら教えてい頂きたい です。よろしくお願い致します。
A.モーツァルトのトルコ行進曲は定番となるような管弦楽編曲が存在していません。従って、サロン・コンサートや名曲コンサートのレベルで(要するにコンサート用に指揮者やアレンジャーが編曲した)演奏されるものはあるのですが、CD化されたものは殆ど無いと思います。ポール・モーリアとか、アルフレッド・ハウゼといったセミ・クラシカルのオーケストラでは管弦楽編成のトルコ行進曲を録音していますが、こういうオーケストラはエレキ・ベースなどの電子楽器を使用しているので、普通のオーケストラとはちょっと違うかな?と思います。
Q.バッハ作曲 管弦楽「G線上のアリア」について、質問します。先日 曲の解説を読んでいたら、元々ニ長調でつくられたものをバイオリンで奏でやすいように 調を変えたと書かれていました。(現在はハ長調ですよね)弦楽器のコードなどについては、全く初めてですので、なぜG線上なのかを含めてこの解説の意味がよくわかりません。
A.G線上のアリアは、バッハの管弦楽組曲第3番の中の「エア(アリア)」という曲をウィルヘルミというバイオリニストがバイオリン独奏用に編曲したものです。元々はニ長調で書かれていたのですが、バイオリンで最も豊かな柔らかい音色を持つG線(左手を押さえないで弾くとG(ソ)の音が出る、バイオリンで一番低い音の弦)のみで演奏できるようにハ長調に書き直しています。ですから、バイオリンで奏で易いというよりは、柔らかい豊かな音色で演奏できるように調を変えたわけです。通常は、どの弦で演奏するかは左手の運指法や演奏者の裁量に任されているのですが、作曲家がこのG線の音色を活かすために使用する弦を指定することも少なくありません。譜面では"sul G"と表記されています。
Q.クラシック音楽の著作権はどうなっているのですか?ほとんどのものは著作権切れらしいのですが・・・。
A.クラシックに限らず音楽全てには著作権があります。もちろん、著作権法で保護されているのは作曲者だけではなく作詞者、編曲者全てが保護されます。大きく分けて音楽の著作権と呼ばれているものには「著作権」と「著作隣接権」というものがあります。著作権は「曲」「詞」「編曲された曲」など、隣接権は著作物の「演奏」「記録(CDなど)」を保護するもので、当サイトのようなMIDIデーターもこれにあたり、作成者(私です)には著作隣接権があるわけです。当サイトでは、基本的には自由にダウンロードして聴いてくださいという事になっていますが、著作隣接権は放棄していないので、「そのまま、または改竄して他のサイトで他の人にDLしてもうらう」ような事をすると著作権法違反になります。
 話しを元に戻すと、日本の著作権では著作権で保護されるのは「公開されてから、著作権者の死後50年経過するまで」となっています。そして著作権条約を批准している海外の曲も日本の著作権法が適用されます。従って、モーツァルト、ベートーヴェンなど多くの作曲家は死後50年以上経っていますので著作権が切れており、ホームページでも自由に使用できるわけです。ですから、逆にショスタコーヴィッチ、團伊久磨など死後50年以内の曲は、著作権料を支払わなければなりません。このサイトがクラシックを扱っているのに著作権料をJASRACに支払っているのは、生存中の作曲家の曲を扱っているためです。ですから、演奏会などでこういった近代・現代の作品を演奏する場合、必ず演奏者は著作権料を支払っています。
Q.モーツァルトのアリア「あなたにお別れを、ああ、いとしいひとよ、さようなら」K.Anh245(K621a)という曲について教えて下さい。歌詞も知りたいのです。また、この曲が収録されているCDか、MIDIはあるでしょうか?
A.この曲は一般的には「私はあなたに別れを告げます、おおいとしい人よ、さようなら」という題名で呼ばれているようです。この曲は自筆の「作品目録」にない為、モーツァルトの作品かどうか疑われている作品のようです。コンスタンツェは手紙の中で、ジャカンという作曲家がハッツファエルト伯爵夫人の旅立ちに際して作曲し、モーツァルトはヴァイオリンのパートをつけただけというシュタドラーの説を支持しています。しかしながら、現存する自筆譜はモーツァルトの筆跡でモーツァルトの曲という説が有力です。作曲は1791年9月プラハで作曲されたとされており、弦楽合奏の伴奏によるバスのアリアです。歌詞については詳しい文献が見つからずわかりませんでした。CDの方は調べた範囲では国内盤では無いようです。
Q.おもちゃの交響曲について教えてください。
A.おもちゃの交響曲は従来ハイドンの作品として知られていましたが、1951年にバイエルン州立図書館で発見された楽譜で、W.A.モーツァルトの父レオポルド・モーツァルトの原作であることがわかりました。この曲はカッサシオン(18世紀の野外用器楽曲の形式のひとつ)ト長調という8楽章からなる曲の3・4・7番を並び替えたもので元のカッサシオンではバイオリンとホルンとおもちゃ楽器の編成になっています。それを弦楽合奏とホルン、おもちゃの編成にしたのが誰なのかはまだ良くわかっていません。おもちゃ楽器にはおもちゃのトランペットや水笛、かっこう笛などが使われています。
Q.筑後川より河口と言う合唱曲がありますが、その曲ってどんな曲なんですか?
A.河口は、団伊久磨が作曲した「筑後川」という混声合唱のための組曲の最終曲です。「筑後川」は、福岡・佐賀に跨る筑後平野を形成した九州屈指の川で、この曲は筑後川の水源から有明海に注ぐまでの周辺の風物や生活を歌った曲です。最終曲の河口は筑後川の終点有明海に注ぐ様子をドラマチックにかつ筑後平野の生活の糧を生んでくれた感謝の気持ちをこめて歌われる曲です。
Q.ローサス作曲「波濤をこえて」について作曲された経緯、作曲者のこの曲に込めた思い、など、分かりましたらお願いします。
A.ローサスは経済的に非常に苦しく、靴を買うお金もなく靴の代金の代わりに靴屋の娘に曲を献呈したというエピソードもあります。というわけで、これもパトロンのヴィンセント・アルファロの妻に献呈したものです。著作権も演奏権も非常に安く売ってしまったらしく、これ程曲が有名になっても彼の貧困のたしにはならず、26歳の若さで病死しています。
Q.音楽の友社 BARENREITERの楽譜についての質問です。Mozart KV 537 Konzert in Dなんですけど、Pianoforteの左手が第1小節から書かれているのですが、このような演奏を聴いたことがないのです。他の楽譜ではこのようにはなっておらず、有名CDの演奏と同じで81小節目からピアノ右手が始まります。BARENREITERの楽譜がオリジナルなのでしょうか?
A.ベーレンライターのスコアでのこのような相違は、26番のコンチェルトだけでなく、27番を含めた多くのピアノ協奏曲のスコアで見られます。特に、26番はモーツァルトの自筆譜ではピアノパートは未完成というか未記入部分が非常に多く、作曲家=演奏する人という色彩が濃いと考えられます。つまり譜面には、覚書程度の音符を書いておけば演奏する本人モーツァルトは演奏できた、という事でしょうか。質問の件は、これとは別の話ですが、どの曲も曲頭の左手だけの部分はチェロ・バスとユニゾンであり、現在ではソリストがわざわざ演奏する必要も無いことから割愛されているとも考えられます。他の出版社のスコアでは全て割愛されていますが、ピアノ用の譜面では殆どの譜面で書かれたままになっていますので、おそらくオリジナルはベーレンライター版のような譜面だったと想像できます。これらについては特に文献などは見あたらないので色々なデーターからの推理の域ではありますが。。。
Q.初めまして 私が中学生のとき約20年以上前ですがよくお昼の給食時間にかかってたレコードで色々な一曲が20曲のクラッシックメドレーでつながっていた題名が知りたくて・・・確かフクトーンクラッシックとか何とか言ってたような?判りましたらお教えください よろしくお願いします
A.この曲は、「フックト・オン・クラシック」、ルイス・クラーク指揮ロイヤル・フィルハーモニーの演奏です。一時期この手の音楽が非常にはやりました。クラークは、この「フックト・オン・クラシック」シリーズを3曲、他に「フックト・オン・チャイコフスキー」や「フックト・オン・モーツァルト」「フックト・オン・ロマンス」など数々のレコーディングをしています。これを真似して、ネオン・フィルなどというオーケストラも似たようなメドレーを録音しています。日本でも羽田健太郎が、昨年のモーツァルト年に合わせて「フックト・オン・モーツァルト」というアルバムを発売しています。いずれにしても、ドラムセットの8ビートにのせて、様々なクラシックのメドレーを聴かせるという類の曲です。