クラシック全般についてのQ&A
Q.作曲家の作品番号はop.〜で表しますがバッハ はBWVが使われています。何故でしょうか。
A.作曲家の作品番号は、op=opus(作品の意)が通常使われます。しかし、作曲家によっては作品番号を付さない作曲家 がいて、後に出版社や研究者によって番号をつけているものがあります。BWVもそのひとつでBach-Werke-Verzeichnis(バッハ作品目録)の略でWシュナイダーが 1958年に作成した「バッハ作品主題目録」の番号です。他にも、モーツァルトのK(ケッヘル)やシューベルトのD(ドイチュ)、ハイドンのHob(ホーボーケン)等多数あり 、ベートーヴェンも作品番号のない作品を後に整理してWoOなどという作品番号がついてものもあります。
Q.何時も思うのです”クラッシク音楽とは何だろう”と思うのです。これがクラッシク音楽だという定義の様な物があるのでしょうか
A.大辞林では、「西洋の芸術音楽の総称。純音楽。」となっていますが、よくわかりませんよね。非常に難しい質問です。はっきり言って音楽のジャンル分けなんてナンセンスかもしれません。電子楽器を使ったクラシック音楽だってありますし、今クラシック音楽と言われている音楽も、作られた時代には流行音楽だったわけですし。例えば、バロック以前の「マドリガル」なんていうのは、今で言えば「流しの音楽」ですし、ウィンナーワルツは今に例えればディスコミュージックだろうし、ポロネーズとかマズルカなんかは、モーニング娘。の音楽のようなものだし。答えになっていませんが、そんなものではないでしょうか。
Q.よく(レチタティーヴォ)と言う言葉を耳にしますが、どういう意味ですか?
A.レチタティヴォは日本語に訳すと叙唱と訳します。オペラやオラトリオなどの歌曲のひとつで、美しいメロディで歌う曲【アリア】に対して、言葉のイントネーションに忠実に語るような調子の曲です。モーツァルト以前は、チェンバロの伴奏で歌われる【レチタティーヴォ・セッコ】が主流でしたが、やがてもう少しメロディックな【レチタティーヴォ・アコンパニアート】に変わっていきます。やがて、ワーグナーが確率した楽劇では、レチタティーヴォは使われなくなりました。
Q.ソナタ形式について・・・各楽章ごとの中の形式を示すのですか? それともその曲全体(1〜3あるいは4楽章)の形式を示すのですか?
A.ソナタ形式はひとつの曲の形式です。交響曲などでは楽章ごとの形式のひとつです。元々、交響曲はソナタ形式の楽章を持つ管弦楽のための曲からスタートしています。基本の形は、第一楽章がソナタ形式、第二楽章がロンド形式、三部形式などの緩徐楽章、第三楽章がメヌエットなどの舞曲(ベートーヴェンが第3交響曲にスケルツォを採用し一般的な形式のひとつになりました)、第四楽章がソナタ形式か三部形式など、でしたが、次第に形式も自由になって行きました。
Q.交響曲・協奏曲などの曲名(題名)について・・・楽章毎に調が変化していますが(転調という表現でいいのかしら?)曲名は、第1楽章の調を基につけているのですか?交響曲・協奏曲の楽章の転調の仕方では、何かルール(法則)のようなものはありますか?
A.曲の途中で調が変わるのでは無いので転調ではありませんが、第一楽章の主部の調をつけて呼びます。基本的には他の楽章は同じ調か近親調になっています。
Q.ポピュラー(音楽)の世界でクラシック曲のカバーをしたものを耳にすることがあるのですが、そういう例っていったいどのくらいあるのですか?
A.映画音楽では、クラシックの原曲をそのまま使ったもの(例:地獄の黙示録=ワグナーのワルキューレの騎行、愛情物語=ショパンのノクターン)を除いても「時計じかけのオレンジ」=ベートーヴェン第九、「リストマニア」=リストの愛の夢など数多くありますし、イージーリスニングでも「幻想のアダージョ」=ベートーヴェンのピアノソナタ悲愴、「愛のコンチェルト」=チャイコフスキーのピアノ協奏曲など星の数ほどあります。ロックなどでは有名な曲としては[プロコルハルムの青い影=バッハのカンタータ][デオダートのツァラトゥストラはかく語りき=Rシュトラウスの同名曲][エマーソン・レイク&パーマー展覧会の絵=ムソルグフスキーの同名曲、ナットロッカー=チャイコフスキーくるみ割り人形の行進曲][嘉門達夫の鼻から牛乳=バッハのトッカータとフーガニ短調]・・・もう書ききれません。特にロックミュージシャンはバッハがお好きなようです。