19世紀から20世紀にかけて活躍したレスピーギには2つの顔がある。ひとつは、オーケストレーションの巨匠ロシアのリムスキー=コルサコフを師匠として学んだ管弦楽法を駆使して華やかな大規模オーケストラ曲作曲したオーケストレーションの名手としての顔、もうひとつは、ルネッサンス、バロック時代の再評価という時代背景の中で、イタリアの古楽器や古楽を発掘し紹介した編曲者としての顔である。
前者の顔としては、何と言ってもローマ三部作とよばれる作品が群を抜いて人気が高い。「ローマの噴水」「ローマの松」、「ローマの祭り」である。きらびやかで、かつ細かい部分も磨きこまれたレスピーギならではの作品といえよう。
後者の顔としては、代表作はイタリアの古いリュート曲を管弦楽に編曲した「リュートのための古風な舞曲とアリア」の3つの組曲や、17〜18世紀のクラヴサン(チェンバロ)の曲を編曲した「鳥」などがあります。派手なオーケストレーションを駆使するわけでもなく同じ作曲者かと思うばかりの地味な曲が多い。
代表作 バレエ「風変わりな店」、交響詩「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」、ボッティチェルリの3枚の絵、組曲「鳥(Gli uccelli)」、「リュートのための古風な舞曲とアリア」第一組曲〜第三組曲他